― キャラ図鑑|例話発酵組 ―
■ キャラ概要
名前:熱意ガー!課長
分類:精神論マネジメント型
生息域:職場の“抽象空間”
主な活動時間:会議・声掛け・進捗確認
特徴:論理よりテンションを重視する
■ 解説(一言で)
「熱意さえあれば何とかなる」と信じて疑わない、令和に取り残された情熱主義者。
■ 主な特徴
- 定量評価より“頑張り感”を重視
- 完了よりプロセスの情熱を褒める
- 具体的な改善案より精神面に話が行く
- 内容を説明しても「熱意が伝わらない」で終わる
- 熱意の基準は日によって変わる
- 自分は具体的作業に関与しない
- 話がズレていても“雰囲気で押す”
■ 代表的なセリフ
「もっと熱意を見せようよ!」
「気持ちがまだ伝わってないんだよね」
「姿勢の問題なんだよ」
「ロジックじゃないんだよ、マインドなんだよ」
「数字はあとでついてくる」
(※実際はついてこない)
■ 行動パターン(観察記録)
- 商談前の準備より、“気持ちを高める儀式”を求める
- 問題点を説明すると「ネガティブだね」で片付ける
- 顧客課題より“自社側の情熱ストーリー”を語り出す
- 見積り条件より「熱意の温度感」にこだわる
- 会議で突然スイッチが入り、演説を始める
- しかし内容は抽象語の羅列
■ 典型的なやり取り(例)
あなた
「お客様は概算を希望されていて…条件はこれで…」
熱意課長
「……で、君の熱意はどこにあるの?」
あなた
(腐敗してんなぁ……のBGMが後ろで流れ始める)
■ なぜ生まれるのか(構造)
熱意ガー!課長は、成功体験の化石化から誕生する。
- 昭和〜平成初期の“根性論で売れた時代”の記憶が強すぎる
- DX・AIを“やる気がない若者の逃げ”と誤解
- 数値管理より精神論が評価された時代に育った
- 本質議論を避けるための“熱意ロンダリング”が癖に
- 実務の手触りが薄れ、抽象語だけが残る
つまり、
現代の営業プロセスを「気持ち」で突破できると信じている。
■ 発酵組的コメント
熱意課長は悪気がない。
むしろ周囲を鼓舞しようとしているだけ。
ただし――
現実問題は熱意では溶けない。
溶けるのは部下のメンタルである。
■ このキャラが出現したら
- 論点がズレて会議が長引く
- 具体案より応援メッセージが増える
- 細かい条件確認が後回し
- 顧客は困惑
- 部下は静かに疲弊
そんなときは、
「腐敗してんなぁ……」
と心の中で呟いておこう。
■ ひとこと
熱意は大事。
でも仕様確認はもっと大事。
